2010年4月6日火曜日

かめびしさん訪問

4月4日日曜日朝7時に出発して、香川県東かがわ市の、むしろ麹のかめびしさんに行ってきました。かねこやがかめびしさんの醤油を扱うようになってから7年ほどになります。
かめびしさんの醤油作りの特徴はなんといっても、創業の江戸時代宝暦年間から変わらず続けるむしろでの麹作りです。
今回訪問したのは「むしろ麹ってどんなふうにするの?」と知りたかったから。
行ってびっくり!

むしろ自体が今では遺物のようなものですよ。私が子どもの頃は米はみんな稲藁で編んだむしろに入ってきていました。かねこやは米屋でしたから毎日そのむしろでお風呂を焚いていましたし、その灰は肥料になると農家の人が買いに来ていました。本当に無駄がなかった時代です。話が横道にそれました。
かめびしさんがむしろ麹にこだわるのは、保温性など、麹にとって一番いい環境になるから。麹作りの何日間かは、昼夜なく麹の状態をチェックし室温を一定に保ち、また一旦麹をぶちまけて一日ががりで再度むしろをひいた棚に入れるという作業を2回繰り返すそうです。
なんという手間ひまのかけかた・・・・。
 
仕込みの蔵は江戸時代からのまま。一見汚れている風に見えますが、杉樽や蔵の梁には酵母菌や乳酸菌などがびっしり棲みついているそうです。酵母菌が活発に動くときはプチプチと音がするとのこと、毎日櫂をいれ醗酵がうまく進むようにするのも大変な作業です。仕込み蔵にも入れてもらいましたが、足を踏み外すとそのまま醤油の樽の中へ落ちてしまいます。

醤油の味は杉樽一つ一つで微妙に変わるそうです。
かめびしさんの醤油は色が濃く、塩味をあまり感じませんが、それは醸造期間を長く取るため、色が濃くなり塩かどがとれてまろやかな味になっているとのこと。わが家も愛用していますが、舌に感じる塩分以上にうまみを感じるのでしょう。
ずっと説明をしていただき一通り見終わった後、一緒に行った息子の感想は、「アナログの世界やなぁ」。
大切に使いたい醤油です。

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